補足説明

question:1139491859
質問文の「会社法299条で3項後段」のみなし規定は、会社法で新たに規定されたのではなくて現行の商法を踏襲したものです。

商法第232条

第232条 総会ヲ招集スルニハ会日ヨリ2週間前ニ各株主ニ対シテ書面ヲ以テ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス 但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル会社ニ於テハ其ノ期間ハ定款ヲ以テ1週間ヲ限度トシテ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ
2 総会ヲ招集スル者ハ前項ニ規定スル書面ヲ以テ為ス通知ノ発出ニ代ヘテ政令ニ定ムル所ニ依リ株主ノ承諾ヲ得テ電磁的方法ニ依リ通知ヲ発スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル通知ヲ発シタルモノト看做ス
http://www.houko.com/00/01/M32/048B.HTM#s2.4.3.1

従って、商法改正時の立法趣旨を検討する必要があります。一つの参考として第153回国会 法務委員会議事録からです。

○山内(功)委員 しかし、実務では、株主総会の招集通知が来なかった、あるいは一日前に株主総会の招集通知が来て結局議決権が行使できなかったというような訴訟が割と多いのですが、株主保護に欠けるということはないんでしょうか。
○山崎政府参考人 個々の問題としてはあり得る話でございますけれども、やはりかなり大量の株主を想定しているということから、商法上はそこのところは割り切ってこういう制度を設けているわけでございまして、それで、書面でやる場合と電磁的な方法でやる場合、これで使い分けをするということは相当ではないということで、従来の解釈のとおりに今したということでございます。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000415320011102007.htm

> 発信主義を定めたわけではないと思います。

私の文章が下手かもしれませんが、別に発信主義を定めたと回答した訳ではありません。書面を以て通知を発したのと電磁的方法によって通知を発したのとを同一に扱わなければ株主総会の招集手続きに瑕疵が生じる虞があります。メールは必ず相手先に届くとは限りません。不着だったり遅延だったりメールサーバーがおかしかったりします。そのような事態が生じても、後段のみなし規定により書面による発信主義と同様の効果が得られることを明確にしたのです。