2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大崎梢『クローバー・レイン』(ポプラ社)

彰彦(あきひこ)は大手出版社の文芸部門に所属する編集者だ。他社の新人賞贈呈式パーティーの帰りしな、酔いつぶれた家永嘉人を高円寺の自宅までタクシーで送り届けた。家永はデビューして二十数年のベテラン作家だがピークは十数年前で、その後は鳴かず飛…

大崎梢『プリティが多すぎる』(文藝春秋)

念願かなって名門といわれる老舗出版社に入社した主人公は三年目に週刊誌からピピン編集部に異動となった。月刊誌ピピンは女子中学生向けの雑誌であり、本人の希望する文芸部門とは大きく懸け離れていたのである。誌面を飾るピピモと呼ばれるモデルは中学一…