デタラメな回答が横行する人力検索はてな

はてな」から数回に亘って「人力検索はてな」について、アンケートの依頼が届いていました。アンケート内容に関して意見を書く欄が設けられていましたので、毎回同じような事を書いていました。

その一つは、法律や税務に関する有料質問に対していい加減な回答を繰り返すユーザーがいて、質問者だけなく閲覧者に対しても間違った情報を与えることになり大いに問題があると指摘したものです。

人力検索はてなSEO対策がうまいので検索エンジンからヒットする事も多々あります。同じような事例をグーグルから検索して人力検索に辿り着いた閲覧者にとって、誤回答は迷惑千万でしかありません。

http://q.hatena.ne.jp/1326878237#a1127922

>この場合、会社法上の新株予約権の無償割り当てに当たるのでしょうか?
該当します。

この回答は全くのデタラメです。回答欄でのリンク先を再掲しました。
http://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E7%AC%AC277%E6%9D%A1

w:株式会社は、w:株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。

http://www.nomura.co.jp/terms/japan/si/sinkabuyoyaku_musyou.html
新株予約権の無償割当とは、株主に対して割り当てるものです。商品の購買者は株主ではありませんから全く見当違いな事を回答しています。

株主に対して割当てる場合、株主に対して新たな払込みをさせないで割当てがなされることがあり、このような割当てを新株予約権無償割当てという。

検索エンジン新株予約権の無償割当を検索語として調べたら、会社法の条文がヒットしたので、これで回答しようと企んだのでしょう。ポイントさえゲットできれば当該回答者は満足であって、回答内容が全くのデタラメであっても構わないのです。法律の条文を回答に示せば、回答者は分かった上で答えていると思うかも知れませんが理解しているかのように振る舞っているに過ぎません。

2番目の回答も同じことです。回答のリンク先を見れば、知ったかぶりで回答している事は明白です。会社法が施行されて何年経過しているのでしょう。それなのに旧商法に関するサイトをリンクして「特に問題はありません」と回答しています。
http://www.findai.com/yogo/0231.htm
2番目の回答に示されたリンク先からです。

商法改正(2002年4月1日施行)で導入

新株予約権は増資を目的としたものです。要件は厳格に定められていますし書面を交付する必要もあります。商品の購入と連動させる事は全く馴染まないです。金融商品取引法にも抵触します。


江頭 憲治郎『株式会社法 第4版』(有斐閣)

会社法実務解説

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