Q&Aサイトで一番大切なこと

http://q.hatena.ne.jp/1232841056
こちらの質問を拝見しまして思い付きました。直接、質問とは関わりのないことなので参考程度に読んで頂ければと思います。

まずQ&Aサイトの質問・回答件数に就いてです。

現時点で「人力検索はてな」の総質問数(パーマリンク)は、20万強あります。

http://okwave.jp/
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広告宣伝として累積された質問・回答件数が多いことを謳うのは効果がありそうです。1万件よりも20万件、それよりも数多い100万件以上の質問が寄せられたことはサイトの信頼性を強固にします。質問件数が多くなればなるほど有益な回答を得られる期待値は高くなることでしょう。

それでは過去の質問・回答を検索するとどうでしょうか。ここで考慮しなければならないのは、時間の経過と共に陳腐化する質問・回答に関してです。たとえば税法は毎年のように変更されています。住宅ローン減税(住宅ローン控除)は数年前と現在では控除額が異なっています。昔の税法に基づいて回答された内容は現時点では価値がありません。旧有限会社や旧商法に基づいた情報も古臭くなっています。パソコンソフトもバージョンアップされた場合、旧バージョンと仕様が異なっていれば同じく回答も無意味と化します。お店の情報もそうです。新橋界隈の美味しいラーメン屋さん情報も店舗が移転・閉店されればお店に行くことが不可能ですし、数年経過すればもっと美味しいラーメン屋さんが開店しているかもしれないです。時間の経過により回答の価値が減らないのは、たとえば猫の飼い方とか人生相談の類になりそうです。

では、後者のように時間の経過に伴って価値が減らない回答は現時点で有益なのでしょうか。特に「人力検索はてな」はリンクが重要な働きをしています。検索の達人が質問者さんに役立つ情報が掲載されているサイトを見つけますというコンセプトで始まっていますのでリンク先を読んで下さいねというスタンスです。ここで問題なのは昔の回答のリンク先が現在では読めなくなってケースが非常に多いという点です。回答時点ではリンク先に有益な情報が掲載されていたとしても現在リンク先が読めなくなっていれば意味がありません。さっぱり内容が分からないです。

もう一つ考慮しなければならないのは、その回答者さんが現在も在籍して回答しているかどうかです。昔の回答で猫の飼い方をリンク先の参照ではなくて回答者自らが著述していて、とても役立つ情報が書かれていたとします。このQ&Aサイトで質問すれば、質問者さんにとって役立つ情報を得られると思うのが通常です。ではそうなるでしょうか。回答者も随時代替わりしています。その時点で有益な回答をしていた回答者が現在も同じ頻度で回答していることは少ないです。その質問者さんが抱えている猫の飼い方に関する質問に対して、当該回答者さんが昔と同じレベルで自ら著述すれば有益な回答を得られることになります。でも回答から遠ざかっていれば現在の別の回答者が回答することになります。現在の回答者が昔の回答者以上に役立つ情報を提供することが出来れば質問者さんは満足されるでしょう。でもそうでなければ義理的な満足であって、次回からも積極的に質問しようとはしないと思うのです。

以上の考察から導き出せる結論は、Q&Aサイトの興亡を握っているのは、現在の回答者だということです。現時点まで有益な情報が累積で蓄積されていたとしても、今の質問者さんに取って有益な回答を得られないQ&Aサイトは衰退するだけです。

だから、非現実的な夢想ではありますけど、各Q&Aサイトで頼りにされている回答者だけを集めた新規のQ&Aサイトをオープンして既存のサイトには一切回答をしなくなったとします。IT系のマスコミを利用して、新設されたQ&Aサイトには優良回答者が集合していることを宣伝して貰い、実際に質問者さんが納得する回答が付くことになれば、その新設されたQ&Aサイトはたちまち人気サイトとなるはずです。

Q&Aサイトを発展させるには、優良回答者を『今』どれだけ確保できるかが大切なのです。翻って、現在の「はてな」は回答者にとって全く優しくありません。「他ユーザーの設定による回答拒否制度」や「不適切な回答」を安易に設定しています。他にも回答がオープンされないと優良回答であっても読めないとか質問者さんの気分次第でキャンセルできるとか回答者を痛めつけることには一歩進んでいる「はてな」です。

過去からの累積された質問・回答件数の多寡よりも回答者が快適に回答できる環境を整備することこそがQ&Aサイトの運営者が心掛けなければならないことです。その上で現在の質問に対して的確な回答ができる優良回答者を集めることが最優先の課題となります。